この研究・記事について
ドル相場の下落と、国際通貨としてのドルの地位の低下は、同じ現象ではない。マルセロ・エステバンとジョナサン・フォルトゥンは、外貨準備、貿易の建値、資金調達、決済を分けて検証し、準備資産の分散が緩やかに進む一方で、ドルの中心的な役割は続いていると論じる。自国通貨建ての借入が増えても、米国金利や為替ヘッジ費用への依存がなくなるわけではない。米国債市場が提供する流動性と担保としての機能も、その役割を支えている。新たな決済網の登場だけで「脱ドル化」を判断せず、複数の市場で実際の利用がどう変わったかを確かめる必要がある。
引用情報
Marcello Estevão, Jonathan Fortun (2026). IIF Global Macro Views: Reading the Dollar Under Pressure. Institute of International Finance.